きょうのエスキス

一級建築士試験の合格を目指して奮闘中。静かにじんわりと、日々の振り返り。自分のための。B面。

無数のちいさな人々

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今日は、ある商店街の食堂を訪れたときのお話です。 この辺りは、近くにイオンがあり、 商店街周辺では、ほとんど歩いている人も見かけず… そんななか、お昼ごはんを食べようと、中に入ってみると、ワンカップを握った酔っぱらいのお客さまが店主に絡んでいるようでした。 が、突き離すこともなく、甘やかすこともせず、その毅然とした態度に圧倒されたのでした。 そのお客さまが、話を聞いてもらい、満足気に帰っていくと、店主がこちらに話しかけてきました。「みんな、寂しいのよ」と。

この食堂は、亡くなられた御主人が、40年ほど前に一国一城の主になると 創業されたそうで、今は奥さまが一人で切り盛りしているそうです。 35年前は、商店街の最盛期。寿司職人や料理人、地元の主婦たち、 総勢8人の従業員を雇わなければ、お店がまわらないほど、お客さまが訪れていたようです。 当時は繁盛していた、駅前商店街に買い物に行くのに、電車を使い、 その帰りに立ち寄ることも多かったらしく、日によっては、終電間際まで店を開けることもあったんだとか。

しかし、やはり、スーパーができてから、人通りがなくなり、お客さまが激減したそうで、「イベントの時は、うどんを100円で売ったりもしたが、一時的に客足が良くなるだけ。土地もお店も自分とこのだから、まだやっていける。食事もここですませてるから、おかげさまで、自宅の台所はきれいなまま(笑)」 とおっしゃっていました。

そして、話を続けているうちに、仲良くしている商店さんの話に。 一見寂しく見えた商店街でしたが、昔ながらの良さを受け継いでいて、「買い物に不自由だったり、ヘルパーさんに気を遣っているおばあちゃんのために、八百屋さんが宅配をしているねん。御主人は、魚屋さんや 自分のところでは取り扱っていない野菜も、別の八百屋さんで買って、お互い助け合って、店を継続しているんやよ。この食堂でも、地元でとれたものを、 その魚屋の夕市で買っているねん。」と、 その言葉は自信に満ちあふれていました。

『「大きな」問題の解決は、無数の「ちいさな」問題を自分の問題として引き受ける、無数のちいさな人々の地道な努力によってのみなし得る。身の回りの人間的な「ちいさな」問題を、自らの責任において引き受けることだけが、この苦境を乗り越える第一歩になる』(『小商いのすすめ』より抜粋)私もいま自分ができることからやってみます。