きょうのエスキス

一級建築士試験、R2学科復活合格。製図が鬼門。R3は自分に負けない年にする!じんわり日々の振り返り。

すこやかにがんばる

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昨日で試用期間を終え、正式に一級建築士事務所で働くことになりました。10年前の私は「設計の仕事をするには、若い感性が必要だ。君にはもう遅すぎる。あきらめなさい。」と社長に言われるがまま、プレゼン用のパースを描くのが精一杯でした。私自身も設計は花形だし、なれるわけないと心のどこかで思っていたのです。一方で、いつか技術屋さんとして専門分野を極めていきたいと考えていました。しかし、チャンスはどこに転がっているかわかりませんね。まさか今その機会が訪れるとは思ってもいませんでした。

無理だと遠回りしてきたことが簡単に叶いました。「この手書きのラフ図面(エスキス)をCADでトレースお願いするね。自分のペースでよいからね。」ということで、さっそく基礎伏図と梁伏図を描くことになったのです。鉄筋を覆っているコンクリートの厚さ(かぶり厚さ)など建築の基礎がわかっていないと、詳細な図面が描けないので、製図の教科書でおさらいです。基本設計、実施設計から調査業務、申請業務まで仕事が多岐にわたっているので、今までの経験を総動員しています。「?」から「!」へ、イメージを形にする作業は、やわらかい思考を使うので、気持ちも整理されていく気がします。本当によい職場に巡り合いました。

じつは、ある市の社会福祉協議会が運営する学習センターの採用試験で、マイノリティや働き方について話をしたときに、男性の面接官が明らかにひいており、それを目にして、サクラ散ったなと。しかし、そのおかげで、大切なものを失わなくて済みました。「変なところで頑固だよね。」とよく言われるのですが… 相手の思うようにいかないところにこそ、私の本質があるのだなと。他者に理解してもらわなくてもかまわないから、自分の純度をもっと高めていこうと。福祉については、専門職として、組織に所属するのではなく、誰もがなれるファシリテーターとして、地域住民の立場で関わっていけたらと、このことでやっと決心がつきました。

建築の世界にふれていると、ありのままでいられるし、健やかにがんばれるのです。そして、まるでパートナーと手を取り合っているような安心感がうまれるのです。好きなタイプだと思っていた異性の魅力が、自分のなかにもあったのだと。やる気は絞り出すものではなく、溢れ出してくるものなんだと。塾の仕事も続けているのですが、勉強しない子どもよりも、遊びゴコロを忘れた大人のほうがむしろ気になります。明日から連絡入試を受ける生徒さんをサポートするための作戦会議にも、参加させてもらうことになりました。人生っておもしろい!

このブログ、まるで半年前から今までの自分を見ているかのようです。とことん落ち込むと、今まで見えなかったものの大切さが身にしみますね。「やさしい人は、やさしくあろうと、一瞬一瞬努力している強い人であるということを忘れてはいけない」と強く思いました。