きょうのエスキス

一級建築士試験、R2学科復活合格。製図が鬼門。R3は自分に負けない年にする!じんわり日々の振り返り。

「通風」「乾燥」に配慮

選択肢を読んでいて、○・×を決めかねるのが「通風」と「乾燥」。「避けなくてはいけないのかな」と慎重になってしまいます。そこで引っかかった過去問について調べてみました。
※ 不備がありましたので、書換を行いました。
 
 
①-1 通風必要
 
・ロックウール化粧吸音板
 
「天井のロックウール化粧吸音板張りにおいて、湿度変動によって軟化や目地空き等を起こすおそれがあるので、室内のモルタル塗り等の左官工事を早めに完了させ、通風や換気を十分に施した。」(H18問19)⇨ ○
 
ロックウール化粧吸音板は、湿度が高い場合に軟化が生じたり、接着剤の硬化が不十分となりやすいので、通風や換気などに十分配慮する。
 
 
①-2 乾燥必要
 
・吸水調整材
 
「コンクリート壁へのモルタル塗りにおいて、モルタル塗りの下塗りについては、先に塗布した吸水調整材が乾燥した後に行った。」(H23問19)⇨ ○
 
吸水調整材(シーラー)をデッキブラシ等で十分にすり込むように塗り付け、十分乾燥させる。
 
・被覆アーク溶接棒
 
「被覆アーク溶接棒については、紙箱に梱包され、さらにポリエチレンフィルムで吸湿しないように包装されていたが、開封直後であっても乾燥装置で乾燥させてから使用した。」(H16問3)⇨ ○
 
 
②-1 通風NG
 
・セルフレベリング材
 
「床仕上げ下地のセルフレベリング材による補修については、吸水調整材が十分に乾燥した後、臭気が寵るのを防ぐため、できる限り通風を確保して流し込みを行った。」(H24問23)⇨ ×
 
「セルフレベリング材塗り後の養生は、硬化を促進させるために、施工した直後から窓を開放して通風を確保した。」(H21問17)⇨ ×
 
ルフレベリング材が硬化する前に風に当たると、表層部分だけ動いて硬化後にしわが発生する場合がある。
したがって、流し込み作業中はできるかぎり通風をなくし、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、甚だしい通風を避ける。
 
・せっこうプラスター
 
せっこうプラスター塗りにおいて、塗り作業中はできる限り通風をなくし、せっこうが硬化するまでは、甚だしい通風を避ける。(H14問16)⇨ ○
 
 
②-2 乾燥NG
 
・プレキャスト部材
 
「プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとの接合部については、豆板等の欠陥を防止するため、コンクリートの打込みに先立ち、打込み箇所を清掃して、部材の接合面を乾燥状態にしてコンクリートを打ち込んだ。」(H22問12)⇨ ×
 
コンクリートの打ち込みに先立ち、打ち込み箇所を清掃して異物を取り除き、散水してせき板やコンクリート面を湿潤状態とする。散水後の余剰水は高圧空気などによって取り除く。
 
「プレキャスト部材は、コンクリートを加熱養生した後に、脱型し、適切な温度管理をした貯蔵場所において十分に乾燥させた。」(H19問19・H12問20)⇨ ×
 
脱型後の部材養生では、部材は非常に乾燥しているので、貯蔵場所に置かれている間に十分な散水養生を行い、失われた水分を補給する必要がある。