きょうのエスキス

H29一級建築士製図試験を終えて、また一歩踏み出します。じんわりと日々の振り返り。

かいけつゾロリのきょうふのバイク

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夏休みも終わりに近づいてきました。初夏に塾と設計事務所を往き来するようになってから、まわりの影響もあってか、穏やかでありながらも、冒険心をくすぐられる日々を過ごせています。子どもたちと授業で関われたことが何よりも大きいのだと思います。盆休み明けにサポートをした小1の国語の授業での出来事。塾生Sくんがメモ帳サイズの手づくりの絵本を持ってやってきました。「見て、みて~」と私を呼ぶので、近寄ってみると、「かいけつゾロリのきょうふのバイク」とタイトルが書かれてあり、キツネらしき主人公も色鉛筆で描かれてありました。「(腕を組み、ドヤ顔で)前編と後編の大作やねん。すごいやろ。絵本を作る人ってなんていうんやったっけ?」とすごく嬉しそうにこちらを見つめてきました。もうすぐ授業が始まるし、興奮させてしまったら、集中力が途切れるだろうなぁと思いつつも、家族だけじゃなくて、きっといろんな人に見てもらいたいんだろうし、その気持ちにフタをさせちゃいけないなぁ… 私にもこんな頃があったんだろうなぁ…と話を聴くことにしました。すると、いたずらっ子のようにニヤリと笑ったのです。えっ!とビックリしたのですが、どうやら絵本の世界に入っていたようです。「かいけつゾロリ」ってシリーズ化されているんですね。ストーリーは…

擬人化された動物が暮らす異世界で、キツネのゾロリはブタのポイポイ(ほうれんそうマン)をやっつけて、「第二のゾロリ城と綺麗なお嫁さんを見つけていたずらの王者として全世界に君臨する」と言う野望を抱いていたのだがことごとく失敗、自らを鍛え直すために根城のゾロリ城を離れいたずら修行の旅に出る。旅の途中、ゾロリは双子のイノシシである山賊のイシシとノシシと出会い、彼らを子分にして更に流浪の旅を続ける。この三馬鹿は修行の旅をしながら行く先々で活躍するのだが、毎回いたずらと言う名の犯罪行為を働き、一般市民を敵に回し指名手配までされ、それでも自分の夢に向かって進み、時には善行を行い旅を続ける。〈ピクシブ百科事典

なお、キツネはスペイン語で "zorro" であり、「かいけつゾロリ」というタイトルは怪傑ゾロ (The Mark of Zorro) に由来すると作者が公言している。〈Wikipedia


そして、「このニヤリ顔、私もしてる!」と気づいたのです。このブログのタイトル『きょうのエスキス』にもあるように、エスキスに挑戦している、まさにそのときです。エスキスは下書きを意味するのですが、自分の考えを形にして描いたり、描きながら考えをまとめたりする、設計の第一段階でもあります。絵・図になるのか、文章になるのか、造形は様々ですが、根底に悲喜こもごも、笑いあり、涙ありの、人間味溢れる、滑稽さ、おもしろさを求めているのだなぁと。

授業が始まっても、Sくんは窓越しに見えるタワーマンションを相手に、「あの30万階の怪物をやっつけないと!トリャー。」と大きな声とアクションは増す一方でした。そこで、私は「Sくんの声が聞こえないよ。絵本の世界にワープして帰ってこれなくなっちゃったのかな?」と声をかけてみました。すると、Sくんは「今ここにいるよ。ねえ、聞こえてる?」と少し焦った様子で、私の足をポンポンと叩いてきました。(Sくん、驚かせてしまってゴメンね)「あっ、聞こえてきたわ。よかったー。」と再び声をかけると、Sくんは和らいだ表情になり、なんとか授業を終えることができました。ユーモアで眼差しを変える!ですね。これでよかったのかと考える毎日ですが、とても勉強になっています。

最近、なるべくたくさん歩くようにしているのですが、そういえばブラブラするとき、交差点で左に曲がることが多いなぁと。今まであまり意識したことがなかったのですが、左曲がりと右曲がりを調べてみると、大人向けのお化け屋敷は左曲がりの角が多いようです。一方の子供向けは、右回りのルートを辿るものが多いようです。居心地の良さより、ついつい「怖さ」を求めてしまうのでしょうか?こういう心理を醸し出す空間、仕掛けが気になって仕方がありません。ひとの活動する仕方をもっともっと初源的に落とし込んでいこう。ちなみに、私にとっても、バイクや車の運転は「きょうふ」です。おもしろさとこわさは紙一重。それは奇妙だ。人生はおもしろい。