きょうのエスキス

H29一級建築士製図試験を終えて、また一歩踏み出します。じんわりと日々の振り返り。

吸音特性と周波数

引き続き、模試の『環境・設備』の問題からです。入射音がある壁の断面構成(構造)と吸音特性の組み合わせを答える問いがありました。模試は無断転載・複製のため、日産アークさんより図をお借りします。共鳴器型は「特定の周波数で共鳴過多になる」というイメージの補足として、下図も合わせて確認しようと思います。
 

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先日、ブログに投稿した「環境・設備の引っかかる部分」でまとめたばかりで、文章では理解できたはずだったのに… 多孔質材料と孔あき板材料の違いがあやふやなままで、答えを逆にしてしまいました。過去問を文章で覚えるよりも、このような場合は、グラフで覚えておいた方が応用が利くかもしれませんね。
 
■多孔質型吸音
音が入射。繊維の振動や摩擦により熱エネルギーとして消費。高音域で効果大
■板(膜)振動型吸音
音が入射。板(膜)が振動。内部摩擦によって消費。低音域で効果あり吸音率としては低い
■共鳴器型吸音
孔の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として消費。共鳴周波数で効果大。孔とその後ろの空気層による吸音なので、材の種類は関係なし。
 
最近の過去問をチェックしてみると、すべて○の選択枝だったので、なんとなくわかった気になり、スルーしていました。毎年出題されていたのに、今まで放置していたなんて、もうビックリです。
 
【H26 問9】
「せっこうボードを剛壁に取り付ける場合、せっこうボードの背後に空気層を設けると、低音域で吸音率が大きくなる。」→○

【H25 問9】
「多孔質吸音材料では、その表面を通気性の低い材料によって被覆すると、高音域の吸音率が低下する。」→○

【H24 問7】
「孔あき板は、共鳴器型のメカニズムで吸音するので、音楽室等において吸音面として使用する場合、特定の周波数の吸音過多に注意する必要がある」→○

「多孔質吸音材料を、より広帯域にわたる吸音を目的として使用する場合、吸音材の背後に空気層を設けることが効果的である。」→○
 
応用問題になると…

【H28 問10】
「壁に多孔質吸音材料を使用するに当たり、表面を孔あき板やリブ等で保護する場合、開口率が小さいと、共鳴器型の吸音特性が現れることがある。」→○

【H27 問10】
「多孔質吸音材料を剛壁に取り付ける場合、多孔質吸音材料と剛壁面との間の空気層を厚くすると、一般に低音域の吸音率が高くなる」→○ 
「孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の共鳴周波数は、孔あき板の開口率を小さくすると低くなる。」→○
追記:孔あき板は特定の周波数(周辺)の音に吸音効果が出やすく、その吸音率は上図のグラフのように、横軸に周波数をとった場合、山形となる。
背面の空気層を50⇒100⇒150(mm)と大きくすることにより吸音力のピーク周波数は下がっていく。(山が左へ移動)
また開口率を上げるほど、山が平坦になり下地の吸音力を生かすことができる。