きょうのエスキス

一級建築士試験、R2学科復活合格。製図が鬼門。R3は自分に負けない年にする!じんわり日々の振り返り。

法令集の書き込み

試験までの3週間の勉強計画を立てたのですが、やはり遅れてきています。予定より1週間も。あはは。実際よりも「自分はできる」と倍ほど多く見積もっていたようです。たぶん不安やプレッシャーもそこから来ているように思います。「だって人間だもの」と相田みつをさんも言っていますが、本番までこの気持ちとどう付き合っていくかってことなんですよね。

というわけで、予備に当てていたラスト1週間を、今週やる予定だった、ウラ模試の復習をメインにあてたいと思います。そのなかで、あと1点を取るためのポイントや気づきがあれば、アップしていきます。本番まで怒涛の日々となりそうです。2日前のブログの発言は何だったんだ…

ちなみに、ウラ指導の先生によると、法令集の書き込みは、今回「大阪」「神奈川」が厳しくなるとのこと。試験監督の間では周知の事実!?しかし、困ったことに、試験監督の方のなかには基準があいまいで、OKの書き込みであっても、引っかかることがあるようです。その時はしっかりと正しいことを主張して、1時間45分を確保して下さいねと話されていました。(受験生から申告があると、試験監督はすぐ身元がわかり、本部から呼び出しを受けるらしいです。)落ち着いて試験を受けるため、鉛筆書きしたマークを消しながら、ついでに条文を読んでいる次第です。

この話題に関しては、いずみ過去問研究所のブログでも、触れられていて、わかりやすいです。

ル・コルビュジェとジョサイア・コンドル

今日は『施工』をやるつもりが、ちょっと拒否反応が出たので、少しやり方を変えて、通勤の移動中に「つづけるにっき」さんの英語講座をチェックすることにしました。カタカナの専門用語が多くて、身近に感じることができなかったのですが、言葉の意味を違った形で覚えると、新鮮でいいですね。グローバルな感覚にもなれます。

つづけるにっき: 英語講座


職場で急に「ロンシャンの礼拝堂」を見たくなり、お昼休みに写真を眺めていました。外観にほっこりします。

ロンシャン礼拝堂 | ル・コルビュジエとパリの建築を訪ねて(フランス)No.9 | Tabi/世界の建築 | お知らせ | デザイナーズマンション,株式会社リネア

『ロンシャン教会堂(フランス)は、コンクリートのもつ重量感を巧みに引き出し、彫刻作品を思わせる独創的な建築物である。』
(平成5年No.1)⇨ ○
☆シェル(貝殻)構造を採用し、主要な構造部材は鉄筋コンクリートコルビュジエサヴォア邸などで主張していた「近代建築の五原則」に基づく機能性・合理性を重視したモダニズムの表現とは異なり、さらに新しい可能性を追求したもの。

ル・コルビュジェというと、上野の「国立西洋美術館」。初めて行ったときは、本当に感動しました。コルビュジエさんの元で学んだ前川 國男・坂倉 準三・吉阪 隆正。3人の建築家が中心になって形にしたと聞きました。印象的なピロティ、回廊上になった空間を散策しながら、絵画を観るのが、とても心地よかったことを覚えています。もう10年ほど前の話で、ちなみにこの時は「江戸東京たてもの園」で前川國男自邸も見学したんだった… 東京建築散歩です。
 
話題に出てきたので、代表的な作品を調べることにしました。(覚えてないんかい!)
① 前川 國男
熊本県立劇場熊本市)は、来館者の動線を円滑にエントランス空間に導くために、演劇ホールとコンサートホールの間に光庭や吹抜けをもつモール状の空間を設けている。」
(平成19年No.13)⇨ ○
日本住宅公団の晴海高層アパートは、2戸×3層の6住戸を1単位とし、3層ごとに共用廊下を設け、そこから上下階の住戸に階段でアクセスするスキップアクセス形式を採用した都市型高層賃貸集合住宅である。」
(平成24No.2)⇨ ○
☆晴海高層アパートは、コルビュジエの ユニテ・ダビタシオンを強く意識している。
「ユニテ・ダビタシオン(ル・コルビュジエ)は、メゾネット型住戸を主とし、多様な施設を複合した高層集合住宅である。」
(平成22年No.12)⇨ ○
東京文化会館←こちらも上野にあります。
ロームシアター京都(旧京都会館
② 坂倉 準三
昨年、神奈川県立近代美術館鎌倉館(坂倉準三設計)と、世界遺産に登録されたばかりの国立西洋美術館本館(ル・コルビュジエ設計)とを混同させた出題がありました。
 
さらに「旧岩崎邸住宅(庭園)」にも行ったのですが、まるで辺りは別世界でした。特に洋館が特徴的で、観光客に交じって、ガイドさんの話を聞くことに… たしか、ジョサイア・コンドルさんの名前を言っていたような気が…Wikipediaをチェック。『1896年(明治29年)に竣工し、岩崎家の迎賓館として用いられた西洋館である。木造2階建、屋根はスレート葺き、外壁は下見板張りとする。お雇い外国人として来日し、独立後は三菱・岩崎家の仕事を数多く手がけたジョサイア・コンドルの設計である。』やっぱりそうでした… 第2回のウラ模試に「ニコライ堂」の設計者として出題されていたので、確認しておくことにします。

追記:ジョサイア・コンドルの教え子である辰野金吾についても触れておくと、東京駅の設計で有名ですが、日本銀行大阪支店、大阪市中央公会堂南海電鉄浜寺公園駅といった建築物もなお現役で使用されています。ちなみに、大阪からの出題が住吉大社、NEXT21、コモンシティ星田、千里ニュータウンくらいしかないのはちょっぴりさびしいなぁ。

残り10日あまりとなりました

今までこのブログで、各単元のアウトプットをバタバタとやっておりましたが、残り10日あまりとなりました。そのため、ここでいったん区切りをつけたいと思います。これからは焦らず、あまり手を広げずに、確実に重要なところを覚えていこうと思います。今までの まとめ に関しても、ここの考え方ちょっとおかしいよ、などとツッコミを入れながら、あくまでも(こんな人もいるんやなと)勉強の目安にしていただけると、ありがたいです。

試験までの10日間は、勉強の経過報告、心境を書いていけたらと思います。気休めに『計画』の実例をアップするかもしれませんがね。当初は仕事と両立しながら、勉強ができるとは思っていませんでしたが、「この道でやっていく」という自分自身への確信があれば、継続できるものですね。では、夏バテしないように、今日はコメダ珈琲店で、ミルクコーヒーを飲みながら、もうひとがんばりしまーす。




工事請負契約約款の改正について

おそらくラスト125問目に出題される、『施工』の「工事契約・請負契約」についてです。民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款は、今回の試験では、平成28年3月改正版が出題されるようです。ちなみに、今まで解いていた過去問は、平成23年5月改正版がもとになっているので、念のため新旧対照表をチェックすることにしました。

気になった条文を2つ取り上げます。 

(第13条)
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選択枝 3 は 今なら「発注者」でも適当の枝になりますね。
 
(第16条)

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追記:(1)①②③ も「発注者又は監理者に通知する」となります。

↓ ↓ ↓(1)①からの問題です。

H27問25の選択肢3においても、「発注者」でも適当の枝になりますね。

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↓ ↓ ↓(1)③からの問題です。

H22問25の選択肢2は、当時は不適当な枝ですが、適当な枝になりますね。

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↓ ↓ ↓ (1)④からの問題です。

H21問25の選択肢4も、当時は不適当な枝ですが、適当な枝になりますね。


請負契約に関する次の記述のうち、民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」(平成20年11月改正)に照らして、最も不適当なものはどれか。
1.建設業法により専任の監理技術者を置かなければならない工事において、当該工事の現場代理人は、当該工事の監理技術者を兼ねることができる。
2.工事中の契約の目的物を発注者が部分使用する場合において、部分使用について契約書及び設計図書に別段の定めのない場合、発注者は、部分使用に関する監理者の技術的審査を受けた後、工期の変更及び請負代金額の変更に関する請負者との事前協議を経たうえ、請負者の書面による同意を得なければならない。
3.請負者は、発注者に対して、工事内容の変更及び当該変更に伴う請負代金の増減額を提案することができる。
4.請負者は、図面・仕様書又は監理者の指示によって施工することが適当でないと認めたときは、ただちに書面をもって発注者に通知する。
 
最新の過去問題集を使っていたら、問題ないのですが、古い過去問を持っているからと、そのまま使っていたら、間違った思い込みで答えてしまいますね。フーッ。

擁壁の設計

★擁壁の設計
 
【H23問21】『直接基礎の擁壁において、土圧や水圧等の水平力に対する抵抗力は、一般に、「基礎底面の摩擦力又は粘着力」と「基礎根入れ部分の受働土圧」との合計とする。』⇨ ×

(解説)
直接基礎の擁壁の土圧や水圧等の水平力による滑動に対する抵抗力は、一般に擁壁前面の受働土圧は基礎の根入れが特に深いなどの特別の場合以外は考慮しない。

これは、受働土圧が有効に作用するのは変形が相当進んだあとであること、さらに擁壁前面の土が基礎工事の根切りの際に乱されることが多いなどのためである。

したがって、直接基礎の擁壁において、土圧や水圧等の水平力に対する抵抗力は、砂質土地盤の場合はフーチング底面の摩擦力(粘着力は無視する)、粘性土地盤の場合は粘着力(摩擦力は無視する)のみによるものとする。
 
参考
・滑動に対する基礎底面の摩擦力 > 水平力(主働土圧+水圧)×1.5
 
図は井澤式比較暗記法より

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【H24問23】『擁壁の設計に用いる土圧は、一般に静止土圧とし、必要に応じて地震動を考慮した土圧についても検討する。』⇨ ×
 
(解説)
擁壁に作用する土圧は、主働土圧係数に土の単位体積重量と地表面からの距離を乗じて算出する。建築基礎構造設計指針3章
 

耐力壁の配置

今まで過去問を解いていて、特に問題がなかったので、わかっているつもりでいましたが、前回の「鉄骨構造の柱脚」に続き、比較して再チェックすると、基礎力があやういことに気がつきました。基本をしっかり抑えておいた方が、とりこぼしが減らせますね。

★ 耐力壁 

・ピロテイ部分の柱の設計では、直上の耐力壁がピロテイ部分の柱に先行して崩壊メカニズムを形成するようにした。 

地震力を受ける耐力壁の耐力は、基礎が引抜きにより浮き上がることによって決まる場合がある。 

・耐力壁や筋かいを耐震要素として有効に働かせるためには、床に十分な面内剛性と耐力を確保する必要がある。 

・細長い連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がりを抑える効果がある。 

・低層建築物の最上階から基礎まで連続していない壁は、力の流れを考慮した設計により、その壁を耐力壁とみなせる。 

☆ 耐力壁等の耐震要素は、建築物の中心部に集中するより、外周部に分散して配置するほうが有効である。 

【H21問25】『地震時に建築物に生じるねじれを抑制するためには、重心と剛心の位置が変わらない限り、耐力壁等の耐震要素を建築物の外周部に分散して配置するより、同量の耐震要素を平面の中心部に集中して配置したほうが有効である。』⇨ ×
 
・ねじれは、水平剛性の中心点(剛心)とその階の建物の重心とが異なる場合は、剛心を中心にして建物が振られることで生じる。
地震時に建築物に生じるねじれを抑制するためには、重心と剛心の位置が変わらない限り、耐力壁等の耐震要素を建築物の中心部に集中して配置するより、同量の耐震要素を外周部に分散して配置したほうが、ねじり剛性が大きくなり有効。
 
◎ ねじれ(水平方向)の場合、耐力壁を「外周部に分散して配置する」に対して、転倒や基礎の浮き上がり(鉛直方向)の場合、連層耐力壁を「中央部分に配置する」となるので要注意!
 
【H20問22】『多スパンラーメン架構の1スパンに連層耐力壁を設ける場合、転倒に対する抵抗性を高めるためには、架構内の最外縁部に配置するより中央部分に配置するほうが有効である。』⇨ ○
 
【H26問25】『多層多スパンラーメン架構のlスパンに連層耐力壁を設ける場合、基礎の浮き上がりに対する抵抗性を高めるためには、架構内の最も外側に配置するより中央部分に配置するほうが有効である。』⇨ ○
 
・基礎の浮き上がりは、地盤からの鉛直反力がなくなる状態のことである。
 
(補足)
連層耐震壁(コアウォール)を建物中央に配置し制振梁と連結することで、高い耐震性能を確保する。住居専有部内に柱が不要で、プランの自由度が高く、また、建物外周部の柱断面をスリム化することができる。 
 

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鉄骨構造の柱脚その2

 

鉄骨構造の柱脚については、過去問でサラッと流していましたが、昨日の勉強会で 柱脚の設計は特に重要だとわかりました。今さらではありますが、基本を理解しておきます。

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【柱脚の種類】

柱脚の部分は、鉄骨とRCの接合部であり、異種構造間による力の伝達が明確に設計されている必要がある。

 

① 露出柱脚

基礎梁の上にアンカーボルトを打ち、柱脚をピンとする。露出柱脚に使用する、アンカーボルトの本数は少なく、簡易に止める。 
⇨ 回転剛性は低くなるため、上部構造の変形も大きくなりやすい。柱頭のモーメントも大きくなる。

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【H18問18】『柱脚形式として露出型柱脚を用いる場合、柱脚の降伏せん断耐力は、「ベースプレート下面とコンクリートとの間に生じる摩擦耐力」と「アンカーボルトの降伏せん断耐力」との和とした。』⇨ ×
 
柱脚の形式として露出型柱脚を用いる場合、柱脚の降伏せん断耐力は、「ベースプレート下面とコンクリートとの間に生じる摩擦耐力」は期待できるが、「アンカーボルトの降伏せん断耐力」に負担させる場合には、摩擦耐力を加算できない。
 

② 根巻き柱脚

基礎梁の上にアンカーボルトを打ち、さらに柱径の2.5倍の長さのRC柱を立ち上げる。

⇨ 柱脚の剛性を高めることができる。 

回転剛性が高くなるので、柱脚に作用する曲げモーメントが大きく、柱頭の曲げモーメントが小さくなる。露出柱脚よりも上部構造の鉄骨部材が小さくなる。S柱とRC柱の接合部分による力の伝達が複雑になるため慎重な設計が必要。

 

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左は露出柱脚、右が根巻き柱脚

 

【H17問17】『柱脚の形式に根巻型を用いる場合、根巻き高さを柱幅(柱の見付け幅のうち大きいほう)の2.5倍とし、根巻き頂部のせん断補強筋を密に配置した。』⇨ ○

 

③ 埋込み柱脚

基礎部分まで鉄骨柱を埋め込むことで、柱脚を固定端とすることができる。

⇨ 柱脚に作用する曲げモーメントが大きくなるが、上部構造の変形が抑えられる。

根巻き柱脚よりも上部構造の鉄骨部材が小さい断面とすることが可能である。

 
【H12問16】柱脚の形式を埋込型とする場合,柱脚に作用する応力を、基礎コンクリートに埋込んだ柱と周辺のコンクリートとの付着により下部構造へ伝達させた。』→ ×
 
埋込型形式の固定柱脚の場合、柱脚に作用する曲げモーメントやせん断力は、コンクリートに埋め込まれた部分の上部と下部との支圧により伝達される。軸方向力は、ベースプレートから直接下部構造へ伝達されると考えてよい。