きょうのエスキス

一級建築士試験、R2学科復活合格。製図が鬼門。R3は自分に負けない年にする!じんわり日々の振り返り。

熱貫流・熱伝導・熱伝達

模試の復習を始めました。現実に直視したくなくて、他のことに取り組もうかなと思ったのですが、やるしかないですね。さて、『環境・設備』ですが、1問目からやらかしてしまいました。

「均質な単一材料からなる壁の熱貫流抵抗は、壁の厚さを2倍にすると2倍になる。」⇨ ×

初めはバツ(正答枝)にしていたんですが、見直しをすると、『均質な単一材料』に目がいき、単純な分数の式(じつはあまりよくわかっておらず、ここの計算問題も出題され、ドボン)になるから、これは正しいんじゃないかな?と。じつは、『貫流抵抗』のキーワードが、頭の中で『熱伝導抵抗』のイメージとすり替わってしまっていたのです。

このように、『計画』『環境・設備』の失点は、知識不足というよりも、それ以前の話で、文章を最後まできちんと読まずに、すり替えや思い込みで答えてしまったのが要因です。つまり読解力不足で、フォーカス・ポイントがズレてしまったというわけです。4択なので、いったん注意が外れると、他の選択枝で、誤りを探す方に意識が向いてしまい、再び読み返すことは、ほぼほぼありません。

この機会に『熱貫流』と『熱伝導』の違いをもう一度たたき込むことにします。

貫流』は 建物の室内と屋外のように、一方の空気から壁や屋根などを貫通して他方の空気まで熱が伝わる一連の現象(熱伝達→熱伝導→熱伝達)をまとめたものである。

★図は、アンビエントホームより

f:id:emicocolo:20170612193709j:plain

・熱貫流率(W/㎡・K)… 貫流による熱の伝わり"やすさ"を表す。

「内外の温度差が 1℃のときに 1㎡当たりに貫流する熱量」

貫流抵抗(㎡・K/W)… 貫流率の逆数となり、熱の伝わり"にくさ"を表す。


「熱伝導」は壁の中を伝わるので、「壁の厚さ」に関わる。壁が厚くなると、熱伝導抵抗が大きくなる。つまり、壁の厚さに反比例する。


「熱伝達」は空気や電磁波間の熱移動なので、壁の厚さは関係なく(壁の中を伝わらない)、一定である。


『熱貫流率』は、「熱伝達率(壁の厚さに関係なく一定)」と「熱伝導率(壁の厚さに反比例する)」の総和である。「熱貫流率」は 壁の厚さに反比例しない。つまり、その逆数の『熱貫流抵抗』は比例しない。


★ブログ『石垣島から合格物語』より一部引用しました。ほかの記事も解説がとてもわかりやすいので、参考にしています。

模試が終わりました

今日は全日本建築士会の模擬試験がありました。もうちょっと勉強してからと、延び延びになっていましたが、覚悟を決めて臨みました。過去問ベースでしたが、会場の雰囲気を体感すると、もうドキドキがおさまりませんでした。早めに経験しておいてよかったぁ。さて、自己採点ですが、計画14/20点、環境15/20点、法規24/30点、構造28/30点、施工19/25点で、合計点100/125点でした。目標にしていた8割になんとか届きました。建築士会の基準も8割が合格最低ライン(保証制度が適用)のようなので、少しホッとしました。が、これで落ち着くのではなく、間違った問題をとことんやっつけなければ!

(計画)建築実例がたくさん出てきました。興味のある範囲だったので、今回は解けましたが、本番では失点することも考え、他の分野で点数がとれるようにしなければなりません。まだこれでは足切りに引っかかってしまう点数です。また、都市計画や工事監理、マネジメントの試験対策が不十分であやふやに答えてしまいました。

(環境)熱貫流・吸音など苦手な部分がやはり理解できていません。省エネに関する用語も整理できておらず、うろ覚えでした。得意科目だからと、後回しになっていたので、問題の解説を読みながら、さらに理解を深めていこうと思います。

(法規)やはり重要な部分しか法令集を引く時間がありませんでした。15分で5問解く計画でしたが、文章が頭に入ってこず、間に合わないと思い、文章をさらっと読んで即答できる問題だけをマークし、先に進めていきました。耐火・防火関係、内装制限、建ぺい率・高さ制限の計算問題、地区計画などはとばし、建築基準法以外の問題から解いていきました。それから計算問題を解き、残りの時間で法令集を引きながら、とばしていた問題を解いていきました。かなり時間が残っていたにもかかわらず、法令集を引き出すと、驚くほど時間の経過が早く、見直す時間がありませんでした。ある程度の訓練が必要です。

(構造)過去問ベースではありますが、予想外の結果になりました。まとめノートを作りながら、時間をかけて、考え方を身につけていったのもよかったと思います。誤りの枝に対する理由がはっきりしているので、読み間違いも少ないです。(ちなみに、私はかなりおっちょこちょいです)先生方が言ってた、得点源にできるという意味も今回よくわかりました。うち一問は構造計算のケアレスミスだったこともあり、法規以上に高得点を狙える科目だと思いました。今回出題された問題がたまたまよかっただけで、点数にバラつきがあるので、安定して点数が取れるように、愚直に問題を解いていきます。

(施工)仮設・地業、コンクリート・鉄筋工事の数値が正確に暗記できていないことによる失点で、まだまだ勉強不足です。これからさらに過去問を解いて、知識を定着させていこうと思います。

朝9時半から17時までの長丁場、最後までとにかく粘りました。初っ端の計画で、問題文を読み飛ばし、ケアレスミスをしたので、午後からの科目は念入りに文章をチェックしました。解けた感覚のあった計画・環境でしたが、読み方が浅かったため、思っていたよりも点数が取れていない結果に。一方、問題用紙に?マークがたくさんついた、苦手科目の施工でしたが、失点を極力抑えることができました。過去に受験した時の解き方では、合格は難しいなと実感しました。終わった後、同じ建築士会の講座を受けている方と、コーヒーをgbgb。あと40日ほどあるので、時間配分を考えながら、これから追い込みがんばります。

試験まであと45日

今日で試験まであと45日となりました。と言っても、今日ももうすぐ終わるんですがね。夏休みほどの期間だなぁ。このタイミングで、過去問専用ブログに、法規と構造力学以外のH9からH21までの13年間分の投稿を完了。

http://emicocolo.hatenadiary.com/


これで、市販の過去問と合わせて20年間分、はぬけはあるものの、なんとか揃ったぞ~。やりきったぞ~。そして、まとめノートの記入も継続中です。日曜に建築士会の模試があるので、最後のあがきで、明日・明後日は構造力学と高さ制限の問題を徹底的にやります。ふだんがぐうたらなので、1日の予定をパターン化すると、けっこうラクです。勉強をきっかけに、これからのあり方もシフトチェンジできそうです。専門学校や職業訓練校、資格学校のみんなはあれから元気にしてるかな?Def Techよく聴いてたなぁ。久しぶりに会ってみたくなりました。それと、この勉強がひと段落ついたら、仕事もですが、とことん家事がしたいなぁ。

環境・設備の引っかかる部分

H18・計画(環境)の過去問に、私がいつもどちらか迷ってしまう問題がありました。

【設問】「多孔質材料による吸音壁において、一般に、多孔質材料と背面の剛壁との間に空気層を設けると低周波数域の吸音率が大きくなる。」⇨○
高周波数域なんじゃないかな?どっちだ… 

(解説)吸音材の細かい穴に音が入り、摩擦や材料の細かい振動により、音のエネルギーが吸収される。「剛壁」に多孔質材料と空気層を設けた場合、多孔質材料は「高周波数域」の音に対する吸音率が大きく、多孔質材料と剛壁の間の空気層の厚さを増すと、その吸音効果を「低周波数域」まで広げることができる

※ 孔あき吸音材による吸音

多孔質吸音材よりも孔が大きいので、低中音域の音を吸収する。

f:id:emicocolo:20170607123055g:plain

図は吉野石膏さんより



【設問】「エアフローウィンドウは、断熱性能を向上させるとともに二重ガラスの間にあるブラインドにより日射を遮蔽するが、窓からの熱放射の低減は期待できない。」⇨×
どれにおいても性能が優れていそうだけど…

(解説)二重窓内部の空調排気によりブラインドに吸収された日射熱を排除することから窓からの熱放射の低減に期待ができる。 

f:id:emicocolo:20170607123118p:plain

図は日比谷総合設備さんより


【設問】「Low-Eガラスを用いる複層ガラスは、低放射膜をコーティングした面が複層ガラスの中空層の室内側に位置するように設置することにより断熱性能を高めるものである。」⇨ ○
室内側か室外側かどっちだ…


☆機能ガラスの種類と特徴

Low-E複層ガラス
ガラスの間に、乾燥した空気の層を封入、室内側に高断熱タイプのLow-Eガラス(特殊な金属膜を表面にコーティングしたもの)を用いたもの。低放射複層ガラスと呼ばれることも。※Low-Eとは、Low‐Emissivity(低放射)のこと。太陽の熱を取り入れつつ、暖房エネルギーを逃がしにくくし、断熱性、保温性に優れている。

図を見るかぎりは室外側っぽい気もするが、深入りしないでおきます。

f:id:emicocolo:20170607123134j:plain

ほかにも…

・一般複層ガラス

スペーサーと呼ばれる部材で、2枚または3枚の板ガラスの間に中空層を持たせ、乾燥した空気層を挟み込むことで断熱性を高めたガラス。結露しにくく、冷暖房の消費を抑えることができるので、省エネ効果もある。


・合わせガラス

2枚以上の「透明ガラス」の間に、柔軟で強靭なフィルムの中間膜をはさんで加熱・圧着させたガラス。風圧に強く、中間膜の効果で割れても飛び散ることがほとんどないのが特徴。中間膜の厚さや性能に工夫を持たせることで、さまざまな特徴を持つ製品もみられる。

3ヒンジラーメン

簡単そうに見えて、またまた落とし穴が!

H21 問3より『3ヒンジラーメン』の過去問。今年のTACの力学厳選16問にも入っています。計算対象の見極めができないと、かなり時間がかかってしまいます。すべての選択肢に答えを代入すると、答えは導き出せるのですが、やはり解き方のコツを知る必要がありますね。しかし、今まで投稿した問題もそうですが、今年度の市販の過去問には載っていないので、先生のサイトは本当にありがたいです。

Architype-lab

f:id:emicocolo:20170527190907p:plain

 

f:id:emicocolo:20170527190950p:plain

 

法規の「適用の範囲」

法規の『避難施設』についても、内容を整理するために、合格物語のWeb講義をチェックしてみました。イメージしながら解くことって大切ですね。以下はそこからの引用です。

『「避難」というものを考えてみましょう。「ある階における避難」とは、居室からスタートして廊下を経て、直通階段に到達し(ここまでが歩行距離:所定の距離以下としなければならない)、さらに、直通階段を経て避難階(通常は地上1階)へと到着。さらに、建物の外部への出入口を通って(この1階での直通階段の入口から、建物の外部への出入口までの距離が避難階における歩行距離となる)、さらに、建物の外部出入口から敷地内通路(基準法上、幅1.5m以上必要)を経て、道路又は広場に到達し、ようやく避難が完了します。ここまでのイメージを頭の中に浮かべるようにして下さい。』

さて、問題を解くとするか…

【設問】主要構造部が不燃材料で造られている延べ面積500㎡、地上2階建ての工場において、2階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。ただし、居室については、内装の制限を受ける「窓その他の開口部を有しない居室」には該当しないものとする。

【正解】×
法別表第1(い)欄(1)項~(4)項までに掲げる特殊建築物、階数が3以上である建築物、無窓の居室を有する階、延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に限り、適用される。 

令117条の『適用の範囲』を見落としてました。令40条の木造から始まる構造もそうですが、ここをまず確認しなければ。要注意ですね。