鉄骨工事のまとめ
【鉄骨工事】
★品質管理
・溶接部の目視検査は、抜取検査とし、それぞれのロットから10%の部材数を検査対象としてサンプリングした。
・スタッド溶接の打撃曲げ検査は、溶接部に割れが生じた場合、更に同一ロットの2本とも合格したので、合格とした。
・表面割れについては、その両端から50mm以上除去し、船底形の形状に仕上げてから再溶接する。
・スタッド溶接の打撃曲げ検査によって15度まで曲げたスタッドは、欠陥が発生しなかったので、そのまま使用した。
・柱梁接合部のパス間温度は、溶接作業中に入熱量とパス間温度の管理を行った。
・母材の溶接面の付着物として、固着したミルスケールがあったが、溶接に支障とならないので除去しなかった。
・溶接部にオーバーラップがあったので、削り過ぎないように注意しながらグラインダー仕上げを行った。
・高張力鋼及び曲げ加工される鋼材の外面には、ポンチやたがねによる打痕を残してはならない。
★加工
・せん断切断加工は、板厚が13mm以下の鋼材とする。
追記:アップした際に、15mm以下となっていました。正しくは13mm以下です。
・呼び名がD13の鉄筋貫通孔の孔あけ加工は、鉄骨部材の板厚が13mm以下であったので、せん断孔あけとした。
・見え隠れとなるエンドタブの切断については、設計図書に特記がなく、監理者の指示もないので、行わなかった。
・鋼材のせん断加工は、板厚を13mm以下とし、主要部材の自由端及び溶接接合部以外の部分に使用した。
・高力ボルト用の孔あけ加工は、板厚が13mm以下であっても、せん断孔あけとしないで、ドリルあけとする。
・高力ボルト用孔の孔あけ加工はドリルあけとし、接合面のブラスト処理は、ブラスト処理前にドリルあけ加工する。
・ガス切断は、自動ガス切断機を用いて行った。
★高力ボルト接合
・両面とも摩擦面の処理をしたフィラープレートの材質は、母材の材質にかかわらず、400N/mm2 級の鋼材でよい。
・建方時に生じた高力ボルト孔のくい違いが2mm以下であったので、リーマー掛けにより修正した。
・高力ボルト接合において、接合部に1mmを超える肌すきが生じる箇所には、フィラープレートを使用した。
・高力ボルト接合において、接合部に生じた肌すきが0.5mmであったので、フィラープレートを挿入しなかった。
・接合部の板間のボルト孔のくい違いは、2mm以下ならリーマ掛け、超えた場合はスプライスプレートで措置する。
図は井澤式比較暗記法より
★建方作業(仮ボルト)
・建方作業において、高力ボルト継手の仮ボルトの本数は、ボルト一群に対して1/3程度、かつ2本以上とした。
・建方作業における混用継手の仮ボルトは、ボルト一群に対して1/2程度、かつ2本以上を締め付けた。
・エレクションピースの仮ボルトは、高力ボルトを使用し全数締め付ける。
★トルシア形高力ボルト
・トルシア形高力ボルトの締付け作業は、1次締め、マーキング及び本締めの3段階で行つた。
・トルシア形高力ボルトの締付け後の検査において、共回りを生じたボルトは、新しいものに取り替える。
・トルシア形高力ボルトのボルトの余長は、ナット面から突き出たねじ山が、1~6山の範囲にあるものを合格とした。
・トルシア形高力ボルトの締付け後の共回りなどの有無は、1次締め後に付したマークのずれにより確認する。
・トルシア形高力ボルトの確認は、平均回転角度を算出し、平均回転角度±30度の範囲のものを合格とした。
・トルシア形高力ボルトの本締めは、専用のレンチを用いてピンテールが破断するまでナットを締め付けた。
★摩擦面
・高力ボルト接合で、接合部をショットブラスト処理としたので、すべり係数0.45以上を確認する試験はしなかった。
・高力ボルト摩擦接合部の摩擦面となる部分は、鉄骨に錆止め塗装を行わなかった。
・高力ボルト接合部の摩擦面は、適切なすべり係数を確保するために、表面一様に赤錆を発生させた。