きょうのエスキス

一級建築士試験、R2学科復活合格。製図が鬼門。R3は自分に負けない年にする!じんわり日々の振り返り。

建築系で生きるために

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何かをやろうとするとき、ちょっとした事が気になると、こころのなかがザワザワしだして、脱線することが多く、正直困っていました。感性で受け取るので、まず何がそんな気持ちにさせるのか、表現するのに時間がかかります。やっとカタチになったと思ったら、今度はいろんな問いが出てきて、本来やりたかったことでも、なかなか気持ちが向かなくなるのです。しかし、このまわり道こそ、突破口になると、昨日の出来事で気がつきました。

今回は「こども食堂」についてのことでした。私のなかでは、こどもの貧困対策でトレンドになっている言葉であり、誰の目線なのか、何の目的(食育?居場所づくり?)なのか、年齢制限はあるのか、疑問だらけでした。塾で子どもたちを見ている私は、叱られることよりも、比較対象になることをなによりも嫌っていることを痛感しているだけに、どこか違和感があったのです。

子どもたちの自尊心を大切にしていきたいけれど、それっていったい何をすることなのかなと。また、その地域は、数年前にマンション建設が進み、共働きの子育て世代が転入し、現在中学校がマンモス化しているにもかかわらず、給食がありません。(スクールランチはありますが)食に対しても、教育と同じように、大切な成長期に、家庭環境に関係なく、対等な機会があった方がよいのではないかと、安直ではありますが、考えてしまったのです。さらに、近隣の市では、先月から中学校給食を全校で実施したことがわかり、その経緯が知りたくなったのです。

さっそく私の疑問や思いを、地域活動をしていて、その事情に詳しい方に、メッセンジャーでぶつけてみました。普段は仲間でもあり、冗談でからかわれることもあるのですが、昨晩はわざわざ電話をかけてきてくれて、とても丁寧に答えを返して下さいました。一つのテーマでその全体像を知っている人は、私のように「部分」だけで捉えている人に対しても、理解を示してくれるのだなと感じました。

2ヶ月前に建築士の教材を見に行ったとき、偶然見つけた「建築系で生きよう。」という本。パラパラめくって、ワクワクして買ったはずなのに、しばらく経ってから、本を開いてみると、なぜか抵抗があって、読めずにいました。同世代の方たちなのに、発想がぶっ飛んでいて、かなわないなぁって。私にとって、問いの内容はとても重要で、なにか外からの刺激がないと、湧き上がってこなくて、動いていないと、思考がぐるぐると同じところを回り出すんだなぁ。建築系で生きるためには、フットワークが軽い特性も、セーフティネットで、理にかなっているようです。

「きらきらひかる」「恋ノチカラ」の黄金リレー

「ふかっちゃん、いいわ~」この言葉を何度言ったことだろう。『予備校ブギ』から深津絵里さんのファンで、今日も『きらきらひかる』と『恋ノチカラ』の黄金リレーで、仕事の後に癒やされておりました。どちらとも十数年以上も前の作品ですが、それをまったく感じさせません。この頃のドラマは、今と比べると、シンプルな作りで、ストーリー性があり、テンポも良いので、スッと話に入りやすいです。登場人物それぞれに深みがあり、奮闘する姿、凛々しくてカッコいい姿、女性が社会で活躍する姿が、やさしくポジティブな視点で描かれています。特に『きらきらひかる』は、他にも松雪泰子さん、鈴木京香さん、小林聡美さんと好きな俳優さんばかりで、それだけでもワクワクします。 

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『恋のチカラ』は、初回の堤真一さんが演じる貫井さんのセリフにジーンときました。設計事務所の所長が、昨日先方さんに同じようなことを言ってたなと。

「忙しいことはいいことだけど、あんなに仕事量が増えちゃ、ひとつひとつのクオリティーは下がる一方だよな。なんかさぁ、自分がどんどんダメになっていくような気がする。いくら金が稼げたって、人から評価されたって、俺が楽しくなかったら意味がない。そういうの、やっぱりわがままなのかね~」
「俺さ、ただ自分の創ったものに愛情持ってたいだけなんだよ。胸張って、これかっこいいだろって言ってたいだけなんだよ」

また一方で、「年齢っていうのは私たちから確実に可能性を奪っていってしまう。それを補ってくれるのは安定と保証だけだ。そうじゃないですか?」「誰だって自分に限界を感じてる女に魅力は感じないだろ。仕事がつらくなったから男に養ってもらおうなんて、結婚を逃げ道にされたらたまんないだろうな」のセリフにもドキっとしました。誰でもどこかで考えたことがある問いが、次から次へと。根本的なことは、今も昔もまったく変わっていないのだなぁ。ふかっちゃんと同じ時代に生きることができて、私は本当にしあわせ者だー。

 

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エスキスへの想い

ここ最近まわりが妙に騒がしい。 懐かしい人からの便りになぜかソワソワ。 こんなとき、わたしに大きな変化が訪れる。 何が起こるのかという期待感。 新しい出会いもあれば、別れもある。 曇り空をぼーっと眺めながら、ひとり空想にひたってみたり。ラジオから聞こえる歌詞に耳を傾け、胸を焦がしてみたり。子どもがいないから、わからないかもしれないけどね… 相手のなにげない言葉に一喜一憂してみたり。壮大なことを考えたかと思えば、数秒後にはウジウジするちっぽけな自分。ひとにはいろんな面がある。それがその人の魅力なのに、自分の都合のいいように勝手に決めつけてしまう。好きなひとならなおさらだ。相手と向き合うのが照れくさく、言われたことには傷つかないように理由づけして。ちょっと間違ったポジティブシンキング。そんな自分にさよなら!! 雨とともにきれいに流して、 大きな心で受け入れよう。 そしてまた一歩踏み出そう。

8年前にこんな日記をつけていました。しかし、どちらかというと、このブログを始めるまでは、自分の想いを表現することをあまりせずに過ごしてきました。その結果、情報をパッチワークしたような言葉しか出てこなくなってしまっていました。この場で正直な気持ちを表現し、その反応を真摯に受けとめ、人とのつながりの中に、自分の進路を切り拓いていきたいと思います。悩んでもいい、迷ってもいい、人に相談してもいい、でも、「自分で決める」というところだけはゆずらないようにしていきたいです。「私が決めました」と言えるまで、考え抜きたいと思います。選択の余地なく、意に沿わぬ道に進まなければならないこともありますが、そんなときでも「未知の世界」に対して、自分をひらいていきます。自分の能力は自分が一番わかっていると思ったらおおまちがいでした。ひとに引き出され、ここまできたので。それでも自分の居場所の設計図に、たった一つでも、自分の想いを込めることをあきらめません。これまでも、そしてこれからも。

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「真理先生」の美しさ

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私がプレゼントしたい本は「真理先生」です。思いついた時にいつでも手渡せるよう、何冊か持っておこうかと考えています。8年ほど前に初めて読んだのですが、この本にふれ、どこか救われた気持ちになりました。そして、この作品の世界観を、自分のなかに取り入れて、生きてみたいと思うようになりました。文庫本の巻末の解説に、「真理先生」の魅力が描かれてありますので、抜粋したいと思います。  

「今日の小説には暗い世相を描いたものが実に多い。人生を否定的にみた作品が多い。人生の時代の実相をみれば、そのとおりかもしれないが、それだけに逆に人生の美しさ、人間の善意を大胆に表明したものがあらわれていいはずである。「真理先生」はそういう作品の典型であり、むろん武者小路実篤の辿ってきた道の一極点としてあらわれたものである。… 作者は時代と人生の暗さに無頓着なのではない。眼をそらしているのではない。逆に幾たびも否定的な思いを味わったあげく、いわばその暗さを土壌とし、それに育てられつつ突き抜けて、人生の大肯定に達しようとした、そういう達人の眼を、私はこの作品の根底に感じるのである。… 「真理先生」に登場する人物はすべて善人である。そして変り者の画家や書家たちである。変り者というのは世間からみればそうなのであって、実はここに現代の一番健康な人間がいるのではないかと、作者は問うている。… 彼らはみなそれぞれに自分の生命をのばすことを心がけ、他の仕事を尊敬し、それが結局人間愛にむすびついていることが自然にわかる。… 善人とはお人好しの意味ではない。自分の理想や信念に、あくまで忠実な努力家のことである。」

この話に登場する真理先生、馬鹿一、白雲、泰山… それぞれの現実離れした純粋さ、繊細さ、正直さ、そして不器用さ、不完全さが何よりも魅力的だと感じたのです。これは大きな気づきでした。実際に、そういう雰囲気を持っている人に出会うと、なぜだかとても安心します。また、ひとをカテゴライズすると、ひとを見る眼は養われないんだなと考えさせられました。文章が明快で、読みやすいので、日曜の夜にもぴったりな一冊です。

お蔵入りとなった特技「象印クイズ」、ときめきの「料理天国」

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小さい頃、テレビっ子だった私が必ず観ていたのが、土曜の「料理天国」と日曜の「象印クイズ ヒントでピント」でした。振り返ってみると、子どもながらに、文化人(=大人)に対して憧れを抱いていたのだと思います。外で遊んでいても、「料理天国」の時間になると、必ず家に帰って観ていました。ちょうど夕食を準備する時間帯に放送されていたので、お料理がますますおいしく見えてくるのです。90年代に「料理の鉄人」も始まりましたが、「料理天国」は総合司会の芳村真理さんのインテリな雰囲気と、お料理の格調高さ、サントリーウィスキーのCM… 手の届かない世界を少しのぞいて見ているような、ときめきを感じていました。料理は辻調理師専門学校グループの講師陣が担当されていて、元大相撲力士の龍虎さんがワインを飲みながら試食されていたイメージがあります。たしか…西川きよしさんも司会で、服部真湖さんが容姿端麗だったと記憶しています。

そして、「象印クイズ ヒントでピント」。他のクイズ番組と違い、知識問題ではなく、当時では最新のコンピュータを使って、直感と連想能力で挑むのが新鮮でした。ピピピの電子音、キャプテン・浅井慎平さんの驚異的な正答の速さ、「おっかさん」と呼ばれていた小林千登勢さんの親しみやすさ、ゲストの参加賞で出てくる豪華な最新家電。そして、なんといっても、オープニングクイズを、解答者よりも速く答えられるのが、ちょっとした自慢でした。どんなものかと言うと、ある人物にモザイク処理がされており、時間の経過と共にモザイクが解かれ、誰かを早押しで答えるというもの。Wikipediaによると、テレビ朝日NECが共同開発し、テレビ番組で初めてモザイクが採用されたらしいですが… 今では、卑猥なものや、車などのナンバープレートを隠したり、個人情報を表示させないためだったり、場所を特定させないためだったり… 特技だった モザイク処理を識別する能力は 番組終了とともに、お蔵入りとなってしまいました 笑。どちらにしても、この時間帯は、裏番組に「世界名作劇場」があったので、家族にしかアピールできなかったんですがね。ちなみに、司会は土居まさるさんでしたが、料理研究家の土井勝さんと同姓同名で、土井さんのおべんとうの本を見て育った私は、しばらくの間この二人を判別できていませんでした。

この際なので… もう一つの特技が、イントロクイズでした。「クイズ・ドレミファドン!」の超スーパーイントロも、当時は反射的に答えることができ、横にいた友達がどん引きするほどでした。先月は「マツコの知らない世界」でも、イントロクイズが取り上げられていて、うれしくなりました。プレゼンをしていた藤田太郎さんの熱い思いに「わかる、わかる」とテレビに向かって頷いてしまうほどでした。クイズにマツコさんもチャレンジしていましたが、速い!!こちらはというと、感度が鈍ってしまったのか、まったく歯が立ちませんでした。80年代から今までのイントロの変遷。シンセサイザーが懐かしかったです。なぜか、TM NETWORKの『SEVEN DAYS WAR』が頭に浮かんできました。「ぼくらの七日間戦争」が観たくなってきました。宮沢りえさん、かわいかったなぁ。って、連想ゲームが始まりそうなので、今日はこのへんで… 

ドラマチックな「ビギナー」と「パーフェクト・リポート」

最近、少し前のTVドラマにはまっていて、時間を見つけては、Wi-Fiのつながるカフェに行き、珈琲を飲みながら観ています。今日も台風の影響で、急きょ仕事がなくなり、帰宅途中に寄り道を。なんやかんや言っても、適度に静かで、長時間いれるのは、スタバかドトールですね。昨日までミムラさんが主演だった「ビギナー」を観ていたのですが、これが本当に面白かった!2003年10月に放送された月9で、ずっと気になっていたドラマでした。司法研修所が舞台で、年齢も経歴もバラバラな法律家のビギナーたちが、弁護士、検察官、裁判官を目指して成長していく姿を描いた群像劇。主人公の楓は、平凡なOLから一念発起して、司法試験の難関を突破し、司法修習生となる。最初の課題からいきなりつまずいた楓だったが、同様に間違った解答を教官に提出していた落ちこぼれ組の縁から、羽佐間、桐原、松永、田家、黒沢、崎田、森乃の7人の修習生たちと一緒に課題に取り組むようになる… 登場人物一人ひとりの心情、人生観がとても丁寧に描かれていて、思わず感情移入してしまいました。みなさん本当に魅力があって、特別な楽しい空気感があります。また一方では、実際に起きた事例、判例をもとに、どう判決を下すべきかという、問題提起のような側面もあり、一緒になって考えさせられます。歳のせいか涙もろくなり、感極まって、気がつけば、鼻先が真っ赤っかに。

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そして、今日から「パーフェクト・リポート」を観ています。2010年10月に放送された日曜ドラマで、自信をなくし、落ち込んでいる時期にとても勇気づけられた作品です。CTN(キャピタルテレビジョンネットワーク)報道局のひとつの部署「遊軍取材班」が舞台。そこには、落ちこぼれのレッテルを貼られてしまった記者たちが集まる。それぞれが様々な思いを抱きながら、報じられたニュースの真実を追求し、今起こっている社会問題と向き合い、再起に向けて奮闘する物語。「ビギナー」もでしたが、主演の松雪泰子さんがとてもきれいで、カッコいい!型破りなところもありますが、物事の本質を知ろうとする、まっすぐでひたむきな姿勢に、こちらまで清々しい気持ちになります。

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私はひとが好きですが、ひとりの時間を過ごすことも好きです。そして、計画的に予定を立てることがあまり好きではありません。自由でいられることもあるのですが、その余白に思わぬ出会いが舞いこむからです。まず自分を大切に、そして、今ここを大切に、こころが動いた時にすぐアクションできる人でありたいなと改めて思ったのでした。

「モモ」が教えてくれたこと

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「日曜に家を出たのは、数年ぶりです。」

今考えてみると、私の心のもやもやに風穴が開いたのは、読書会に参加していた河田さん(仮名)のこの一言でした。日曜の休日は外出せず、読書をして過ごすと決め、普段も遠出は一切しないようです。まさしく本の世界で生きておられる方で、リアルな体験を超越した充実感が、カラダ全体からあふれ出ていました。福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』など、本を紹介する眼差しは澄んでいて、 凛とした姿が、潔くカッコよくて。なにを体験するかというよりも、なにを考え、なにを感じるのかが大切なんだと気づかされました。何かに追われるように過ごしていた時間。今まで休日をイベントなしで過ごすことに、罪悪感すら抱いていた私ですが、今ではこのブログを書くほど、時間の使い方が変わりました。私が読書会で初めて紹介した本が、ミヒャエル・エンデの『モモ』なのですが、河田さんはその世界を体現してくれていたのだなと。

きっと驚愕するはず。忘れていた『モモ』の名言 - NAVER まとめ

http://matome.naver.jp/m/odai/2139245894146072801

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そして、何かのご縁ですが、昨年中学校の教員を定年退職された方と、月に2回ペースでお会いし、お話を聴くことになりました。(どんな仕事をしていたかを知られると、先入観を持たれたり、距離を置かれることがあるため、自分からはあえて話さないそうです。)理科の教科を担当されていたそうですが、今は歴史に興味を持たれておられるようです。すでにこの世にいない方たちが、まるで仲間であるかのように、時空を超えて登場し、私たちの世界もどんどん拡がっていきます。「日常生活に戻りつつあります。話をすることが、すごくエネルギーになってます。」私のやりたかったことが少しずつですが、絵空事ではなく、今ここに表れつつあります。そして、安寧の都市ユニットの実践プロジェクト第2章の幕が上がろうとしています。

 


旅はまだ始まったばかり。これからも温かく見守っていて下さいね。そして、みなさんのお話も聴かせてください。人生は続く。